未成年の薬物犯罪という刑事事件

逮捕後、早い段階で弁護士が協議することが保釈へのカギ

未成年が麻薬事件などの薬物犯罪で逮捕されても、適切な取り調べ対応と弁護活動が行われれば、留置場や鑑別所に入ることなく、保釈される可能性があります。未成年の勾留や観護措置を回避するためには、逮捕後の早い段階で弁護士が接見し、被疑者と取り調べ対応を協議し、それと併せて身元引受人の協力を得ることが重要となります。その上で、検察官や裁判官に対して、反省と二度と薬物事件を起こさない旨を弁護士が主張し、釈放してもらうように活動していく流れとなります。

罪を認める場合には、薬物の入手ルートを包み隠さず話し、身近に薬物がある環境と決別する態度を示すようにすることや、営利目的で所持していた場合には、知っていることはすべて話し、進んで捜査に協力する態度を示すことが重要です。
また、薬物の犯罪の場合には、再犯率が高いという特徴がありますので、ダルクなどの回復支援施設への入所や、専門医による治療、自助グループへの参加などを積極的に検討することによって、再び薬物に手を出さないという姿勢を裁判官に主張するようにしましょう。

勾留か観護措置か家庭裁判所か、その後の流れ

少年犯罪の場合でも、捜査段階では成人と同様に、被疑者として逮捕・勾留されるようになります。逮捕されると最大で48時間、警察署の留置施設などに身柄が拘束されます。その間に検察官に薬物事件の記録が送られ、検察官は、勾留するか、勾留に代わる観護措置をとるか、勾留せずに家庭裁判所に送致するかを決定します。未成年の少年事件の場合には、家庭裁判所に送致された後は、検察官がかかわることはまずありません。

未成年の薬物犯罪の場合には、成人の刑事事件とは異なり、捜査機関が捜査をした結果、薬物の所持・使用の嫌疑があると判断した場合には、家庭裁判所に送致されるようになります。そして、家庭裁判所が調査・審判を行うために、未成年の心情の安定を図りつつ、身体を保護してその安全性を図る必要がある場合には、観護措置が取られます。
観護措置としては、在宅で家庭裁判所調査官が観護する場合と、少年鑑別所に送致する場合があるのですが、ほとんどの少年鑑別所に送致される観護措置が取られているのが現状です。観護措置の期間は、通常4週間であり、最長で8週間と決められています。

成人の刑事事件の場合には、薬物犯罪の事実が認定されれば、それに対する制裁として、基本的に刑罰が科せられるようになるのですが、少年犯罪の場合には、家庭裁判所での審判を経て、刑罰ではなく、保護処分を科することが優先されます。保護処分には、保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設送致、少年院送致の3つの方法があります。